とくし丸を開業しようと思った理由を教えてください
実は私、前職はとくし丸本部のSV(スーパーバイザー)として働いていました。
当時は、全国の販売パートナーの現場で直接営業サポートやノウハウを提供していました。当初は本部を辞めて販売パートナーとして開業することは、想像もしていませんでした。販売パートナーという仕事に興味を持ったきっかけは、既存の販売パートナーへの「同乗」でした。
もともと小売業界にいたので、稼働時間や仕入れ作業、商品を並べることの大変さなどは分かっていたのですが、それ以上にお客さまからのたくさんの「ありがとう」という言葉が多かったことに衝撃を受けました。
お客さまも、販売パートナーも、お互いがお互いに感謝していたことを覚えています。コンビニなどの店舗小売業の場合、お客さまと話す時間はほとんどないですし、お客さまの顔や名前、好みの食べ物を把握しながら接客することもないでしょう。
顔が分かっている状態で接客し、お互いに感謝の気持ちを持っている。とくし丸は「ありがとうが溢れる現場」だと思いました。
これまで複数社で現場を経験したことがありますが、こんなにも「ありがとう」が溢れる現場や仕事は見たことがなく、私もこの素敵な世界に飛び込んでみたいと思いました。
月々かかる経費について教えてください
私は車両の購入方法としてリースを選択しました。リース代は月々約56,000円かかっています。リース代のほかに、毎月かかる経費はガソリン代、レジ使用費、駐車場代など。すべて含めると10万円弱になります。夏は燃費が悪く、ガソリン代が特に高くなります。
経費の金額だけ聞くと高いと感じるかもしれませんが、とくし丸は「売ったら売った分だけ収入に直結する」ので、やっていくことが難しい金額ではないです。逆にいえば、売上が下がると収入も下がってしまうので、日々工夫をしています。
例えば週1回利用だったお客さまに対して、週2回利用を希望される方がいないかを聞いたり、営業中に空き時間ができた場合は、追加でお客さま探しをしたりしました。そうすることによってお客さまの数を増やし、売上を上げることができているのです。このように売上を伸ばす工夫ややり方も自分で考え、実行できることに魅力を感じています。
現在、私と妻、2人の子どもとの4人暮らしのため、一家の大黒柱として、今後も日々営業を工夫して売上を伸ばしていこうと思います。
首都圏のお客さまにはどんなお困りごとがありますか?
首都圏も山間部も、根本的な需要やお困りごとは変わらないと思います。首都圏といっても、スーパーマーケットがたくさんある地域と、比較的少ない地域があります。歩いて15分のところにスーパーがあっても、そこまで行くことが難しい方がいらっしゃるのです。
私たちの場合は自分の足でスーパーへ行き、買い物をすることができますが、お年寄りの方は足腰が悪く、スーパーまで行くことができない方や、誰かの力を借りて買い物へ行く、例えば週末に家族(娘や息子)に買い物に連れて行ってもらう方がいらっしゃいます。
そうした方々のために、自分の目で見て、触って商品を選んでいただける機会を提供しています。
また、私は生まれてからずっと日野市に住んでいます。とくし丸で働く魅力は、買い物にお困りの方を救うだけでなく、地元に密着し、地域に笑顔を増やしていることを実感できることです。
「来てくれてありがとう」「会えて嬉しい」と日々言われます。私の販売エリアが日野市内のため、生まれ育った地元へ恩返しをしているようで、誇りをもって働くことができています。
お客さまとのエピソードを教えてください
1番印象深かったのは、お客さまからの買い物メモです。
いつも欲しい商品を書いたメモをお客さまから渡されるのですが、そこに「見て買うのが楽しみです」と書いてあったのです。
これを見たとき、暑さや疲れなんかぶっ飛びましたね。
毎週行くたびにいつも「ありがとう、ありがとう」と言ってくださるお客さまですが、文字にしてくださるのは本当に嬉しいですし、「これからもたくさん商品をお届けしよう!」と強く思いました。
